フリッツ マスターズ初優勝!
日本時間3月21日(月)の朝に行われた、BNPパリバオープン決勝(アメリカ インディアンウェルズ ATP1000 ハードコート)
今シーズン無敗のまま、この大会でも決勝まで勝ち上がってきたナダル(スペイン)と、地元の期待を背負ってATPマスターズ1000の大会で初めて決勝まで勝ち上がってきたT・フリッツ(アメリカ)の対戦は、小さい頃からこの大会を見に来ていて、ここでの優勝を夢みると同時に、そんな事はありえないとも思っていたフリッツが、今シーズン20勝0敗だったナダルを6-3、7-6(5)で下し、歓喜の初優勝を遂げた!
この試合を迎えるにあたっては、両者とも身体的な問題を抱えていた。ナダルは準決勝のアルカラス戦の時からトレーナーを呼んで治療を受けていたし、実際にこの決勝の第1セットでも彼らしからぬプレーで3回のブレークを許していた。決勝後に話した事だが、肋骨付近に痛みがあり呼吸に影響を及ぼしていたとの事。第1セット後にメディカルタイムを取り痛み止めも飲んだ事で、第2セットでは持ち直したものの、最後の大事なところでミスもあり、ファイナルセットへと勝負を持っていく事は出来なかった。
一方のフリッツは、準決勝のルブレフ(ロシア)との同学年対決を制し決勝へと駒を進めてきたが、決勝戦前の練習で、今までに感じた事のない痛みを足首に感じ、これでプレーするなんて無理だと思うほどだった。しかし、その後の治療によってプレーが出来そうだと感じたフリッツは、チームからは棄権を薦められたが、自身の判断で決勝をプレーする事を決断。すると、プレー中は全く痛みを感じなかったという。決勝という舞台で興奮によるアドレナリンで痛みを感じなかったのか、原因は分からないけども、トッププロの試合ではこういう事が起こるものである。思い出したのが、2014年の全米オープン。錦織圭が四大大会で日本人として初めて決勝へ進み準優勝となった大会であるが、この大会前、錦織圭は右足親指を手術し、ぶっつけ本番ともいえる状況で大会に入ったもののどんどんと勝ち上がり、準決勝ではフルセットの末にジョコビッチを下すという快進撃を見せた。こういったところからも、必ずしも万全な状態でなくても、それを凌駕するプレーが出る事はあるのだと思う。
この優勝によってフリッツは、ランクを7つ上げ自己ベストの13位となった。ナダルも4位から3位へと上げた。そしてすぐにマイアミオープン(アメリカ マイアミ ATP1000 ハードコート)が始まる。ナダルは、BNPパリバオープンの最中にマイアミを欠場する事は発表していたが、フリッツは足首の状態や体のケアを見極めて判断するという。優勝者には厳しい日程ではあるが、また元気なフリッツのプレーを見られれば、こんなに嬉しい事はない。