ウィンブルドン主催者の決断

先日、ウィンブルドンの主催者が、一つの決断を下した。

それは、今年の大会へのロシア選手とベラルーシ選手の参加禁止だった。これはもちろん、ロシアがウクライナへ軍事侵略している事が影響している。主催者の声明では、これら2国の選手が大会で活躍する事によって、ロシアに何かしらの利益がもたらされる事を防ぐ為との事。四大大会の一つであり、テニスの聖地とも言われるウィンブルドンだけに、この決断を下すのは主催者としても簡単ではなかっただろう。とても勇気のいる決断だったと思う。今後の状況次第では変更の可能性もあると、検討の余地を残してはいるが、大会まであと2ヶ月。この決断を覆すほど、ウクライナの状況が好転するとはとても思えない。

この決断に対しては、当然、賛否両論あるだろう。ATPランク1位のジョコビッチ(セルビア)は、スポーツを政治の道具にすべきではないとして、この決断を批判した。自身もかつては戦争を経験してきているだけに、戦争には誰よりも反対だというのが彼の考えだが、選手の責任ではないとして、今回の決断には賛成出来なかったようだ。

また、ATPランク8位のルブレフ(ロシア)は、「国籍による差別だ」として、この決断に抗議した。主催者から連絡があったというルブレフは、その際に「参加するかどうかは選手自身に決めさせて欲しい」という事や「獲得した賞金をウクライナへの支援として寄付する事」などを提案したようだが、どうやら反映されなかったようだ。ロシアやベラルーシの選手でも、反戦の意思を持っている選手は当然いるわけだし、おそらく大半の選手がそういう思いを持っていると思いたい。ただ、そう思っていても、言論統制などがあって思いを自由に発言出来ないのだろう。言論の自由がないというのは怖い事である。

このニュースを聞いた時、「ここまで来たか」と思った。既に、ITF(国際テニス連盟)が主催する大会には、ロシアとベラルーシは参加出来ない事になっていたが、それ以外の大会には、国籍や国旗の表記をしない状態での参加が認められていた。それが、現状ウィンブルドンだけとはいえ、参加自体が禁止されたのだ。異例の事である。

私としては厳し過ぎる決断だと思う部分はあるが、ウクライナで起こっている事を考えると、スポーツに政治を介入させないとか、選手の責任ではないとか、そんな事を言っている場合ではないと思えてくる。ロシアとベラルーシの選手はもちろん国民にも、ウクライナで何が起こっているのかもっと注目して欲しいし、自分達に何が出来るのか考えて欲しい。自国の指導者だけのせいではないのである。暴走している指導者を止めるには、外部圧力ではなく内部圧力の方が効果があるのではないだろうか。

ウィンブルドン主催者の参加禁止という決断には、訴訟を起こす動きもあるようだが、おそらく状況が変わる事はないだろう。それよりも、ウクライナの状況が好転して欲しい。その事を切に願うばかりである。

I’m stand with Ukraine. Stop war.

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